環境リスク管理

化学物質管理

化学物質管理について

 POPs、環境ホルモン、ダイオキシン類といった化学物質の環境・食品汚染は大きな社会問題になっています。また、PRTR法、MSDS制度、環境監査(ISO14001)、土壌汚染法、労働安全衛生指針、リスクアセスメント等、化学物質の管理は企業リスク管理の面からも重要になっています。JANUSは、化学物質の毒性データに基づく作用評価はもちろん、拡散シミュレーションによる濃度評価・曝露評価、人口分布を考慮したリスク評価等により、皆様の適切な化学物質管理のお手伝いをします。

GHS

  化学品を取扱う企業においては、2006年12月1日に改正労働安全衛生法の一部が施行されて以降、GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)に対応したMSDSやラベル表示への変更が進められています。国(GHS関係省庁連絡会議)は、2005〜2006年度にMSDSに関連する化学物質(1424物質)のGHS分類を行い、その後も経済産業省や厚生労働省によりこれらの分類結果の見直しとその他の物質のGHS分類が実施されており、これらの見直し結果や分類結果は(独)製品評価技術基盤機構のホームページにおいて順次公表されていくようです。また、これらの分類結果に基づいたMSDSやラベルの作成事例が、中央労働災害防止協会のホームページ上にそれぞれ「GHSモデルMSDS」と「GHSモデルラベル」として掲載されています。

  企業においては、単一物質のGHS分類については、これらの一般に公表された分類結果や事例を参考にMSDSやラベルを作成することが可能ですが、複数の物質を混合した製品(=混合物)についてGHS分類を行わなければならないケースなど、企業自らGHS分類を行う必要性がでてきます。ところが、混合物の分類方法は複雑で非常にわかりにくく、毒性試験などに関する専門的知識が必要となる場合もあります。

  そこで、弊社では、国連のGHS勧告を基本として、GHS関係省庁連絡会議がとりまとめた「GHS分類ガイダンス(政府向け、事業者向け)」、並びに関連する日本工業規格(JIS Z 7250、JIS Z 7251、JIS Z 7252)に則って、企業がMSDSやラベルを変更する際のさまざまなサポートを行っています。

サポートの例:
  ・GHS分類方法の概要をレクチャー
  ・企業のご担当者が行ったGHS分類結果が妥当かどうかの確認
  ・GHS分類を行うためのデータベース等の検索と情報収集
  ・GHSに対応したMSDSやラベルの作成

環境ホルモン

 最近、環境ホルモンと言う言葉を良く見かけます。この問題は、1996年にアメリカで発行された「Our Stolen Future(奪われた我々の未来)」という本が発端になっています。英語ではEndocrine DisruptersあるいはEndocrine Disruptorsと綴ります。Endocrineとは内分泌とか内分泌物(いわゆるホルモン)と言う意味で、環境中に放出された化学物質が生物の内分泌系等を阻害している可能性があると記載したものです。ここでは、環境ホルモンの問題について概説します。

1.環境ホルモンとは ?

 種々の定義がありますが、内分泌障害性化学物質に関するスミソニアンワークショップ(1997年2月)では次の定義がなされています。
 「(動物の)生体の恒常性、生殖、発生、あるいは行動に関与する種々の生体内ホルモンの合成、貯蔵、体内輸送、結合、そしてそのホルモン作用そのもの、あるいはそのクリアランス、などの諸過程を阻害する性質を持つ外来性の物質」
 我が国では「内分泌撹乱化学物質」あるいは「内分泌撹乱物質」と呼ばれています。

2.どんな物質が環境ホルモン ?

 疑わしい物質としては、医薬品(DESやピル)、畜産用合成成長ホルモン、植物エストロゲン、人体から排泄されるホルモン類、合成化学物質等が考えられています。
  環境庁が公表した戦略計画(SPEED ’98(2000年11月版))では、65物質群の合成化学物質及び3種の重金属類が環境ホルモンの疑いがあるものとされています。

(リスト:)
  リストには、ダイオキシン類やPCB類の他、フタル酸エステル類(プラスチック可塑剤)、アルキルフェノール類(界面活性剤原料等)、ビスフェノールA、数十種の農薬類等が含まれています。
  ただし、この中には我が国では製造も使用もされておらず、環境中からも検出されたことの無い物質も含まれています。生物への影響に関するデータの整備とともに上記のリストも修正されるものと考えられます。

3.どんな影響が考えられる ?

 明らかな例は巻貝の生殖器官の異常です。アメリカフロリダ州でのワニの生殖器の異常やイギリスでの魚類の精巣退縮の例、多摩川での魚類の精巣退縮の例もありますが、巻き貝の例以外は因果関係は明確にはなっていません。
  一方、人体では尿道下裂、甲状腺異常、精子数減少の原因として懸念されること等が述べられていますが、これについても明確な因果関係は確認されていません。しかし、因果関係が確認されていないから大丈夫とは言い切れません。疑惑がある以上確認する必要があります。現在、環境ホルモン作用の確認試験の検討、確認試験等が欧米諸国や日本で懸命に行われています。
  ただ、上記の懸念からすれば、生殖巣への影響以外に、免疫系および神経系や胎児への影響もある可能性があります。環境ホルモンの問題は、当初述べられていた女性ホルモン類似物質の問題を超えて、非常に複雑な生体作用にまで影響している可能性が示唆されているというわけです。

4.エストロゲンとは ?

 環境ホルモンの影響は、上記のように内分泌系ばかりでなく免疫系等にも関係しますが、当初は女性ホルモンとの関係が懸念されていました。
  エストロゲンとはいわゆる女性ホルモンの総称で、脊椎動物において主に卵巣から分泌され、雌の生殖腺付属器官の発育機能の維持に関与します。
17βエストラジオール、エストロン、エストリオール等を含み、卵生脊椎動物では卵黄タンパクの前駆体であるビテロゲニンの合成を促進します。
  化学物質だけでなく生体から排出されたエストロゲン自体も環境中には存在します。したがって、17βエストラジオールやビテロゲニンの分析結果も環境ホルモンの影響検討には必要になってきます。即ち、これらの作用との比較においてこそ正確に化学物質等の環境ホルモンの影響が把握できるわけです。

5.国内外の対応状況は ?

 現在国や地方自治体等で環境や食品中の環境ホルモン濃度の測定を主体にした調査が行われている他、分析方法や生体影響の測定方法、生物への作用機序等に関する検討が進められています。
 海外では、前記したようにOECD諸国のほとんどが研究を始めており、アメリカは今後数年間で15,000種に及ぶ化学物質の環境ホルモン作用をチェックすることを計画しています。

6.調査方法はどんなもの ?

 現状で環境ホルモンと疑われる物質群には揮発性のものやプラスチック等に含有されている物質があるうえ、作用量は非常に微量です。したがって、分析手法はもちろん、サンプルの採取、保管、運搬、前処理には十分な注意が必要です。一例を挙げますと、プラスチック製品は使用せず、金属あるいはガラス製品を使用すること、試料を採取する時は風下に立つこと等々です。

 JANUSは環境庁のマニュアルを参考に、従来の環境調査で培った経験と微量化学物質分析の専門家の意見を考慮した独自の調査マニュアルを作成しています。
  環境ホルモンに関するご要望がございましたらJANUSにご連絡下さい。

環境ホルモンの疑いのある物質(環境庁:SPEED’98(2000年11月版))
(下記の物質以外に、水銀、カドミウム、鉛の3種の重金属が疑われている)

(1)ダイオキシン類
(2)ポリ塩化ビフェニール類
(3)ポリ臭化ビフェニール類
(4)ヘキサクロロベンゼン
(5)ペンタクロロフェノール
(6)2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸
(7)2,4-ジクロロフェノキシ酢酸
(8)アミトロール
(9)アトラジン
(10)アラクロール
(11)シマジン
(12-1)ヘキサクロロシクロヘキサン
(12-2)エチルパラチオン
(13)カルバリル
(14)クロルデン
(15)オキシクロルデン
(16)trans-ナノクロル
(17)1,2-ジブロモ-3-クロロプロパン
(18)ジクロロジフェニルトリクロロエタン
(19-1)ジクロロジフェニルジクロロエチレン
(19-2)ジクロロジフェニルジクロロエタン
(20)ケルセン
(21)アルドリン
(22)エンドリン
(23)ディルドリン
(24)エンドスルファン(ベンゾエピン)
(25)ヘプタクロル
(26)ヘプタクロルエポキシサイド
(27)マラチオン
(28)メソミル
(29)メトキシクロル
(30)マイレックス
(31)ニトロフェン
(32)トキサフェン
(33)トリブチルスズ
(34)トリフェニルスズ
(35)トリフルラリン
(36-1)アルキルフェノール C5
(36-2)アルキルフェノール C6
(36-3)アルキルフェノール C7
(36-4)アルキルフェノール C8
(36-5)アルキルフェノール C9
(36-6)ノニルフェノール
(36-7)4-オクチルフェノール
(37)ビスフェノールA
(38)フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
(39)フタル酸ブチルベンジル
(40)フタル酸ジ-n-ブチル
(41)フタル酸ジシクロヘキシル
(42)フタル酸ジエチル
(43)ベンゾ(a)ピレン
(44)2,4-ジクロロフェノール
(45)アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル
(46)ベンゾフェノン
(47)4-ニトロトルエン
(48)オクタクロロスチレン
(49)アルディカーブ
(50)ベノミル
(51)キーポン(クロルデコン)
(52)マンゼブ(マンコゼブ)
(53)マンネブ
(54)メチラム
(55)メトリブジン
(56)シペルメトリン
(57)エスフェンバレレート
(58)フェンバレレート
(59)ペルメトリン
(60)ビンクロゾリン
(61)ジネブ
(62)ジラム
(63)フタル酸ジペンチル
(64)フタル酸ジヘキシル
(65)フタル酸ジプロピル

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