JANUSは地球規模、地域規模での元素の循環について、物質循環モデルを用いて検討しています。例えば、水域における物質の循環は、水の移流・拡散に支配されますので、流体力学の物理モデルが基本となります。また、生物に関係する元素の場合は、物理モデルに加え、生物の成長、摂食、捕食等での生物が関与する部分の検討が必要となります。
化学物質や放射性核種の挙動に関しては、従来から分配係数、移行係数、濃縮係数等を用いて簡便に物質循環を把握することが行なわれてきました。しかし、ヒトを含めた生物の関与を考慮した物質循環では、「生物圏モデル」を組みこむことが必要です。
JANUSは、生物が関与する部分について、食物網や水質との関係を含めたモデルを活用し、植物プランクトン、動物プランクトンなどの低次生産過程をも組み込んだ物質循環を検討しています。
例えば「有機物の循環の例」を図示します。有機物を構成する元素である炭素についてみると、植物プランクトンや藻類は光合成によって二酸化炭素を固定して有機物を生成します。生物に固定された炭素は食物網を通じて生態系の上位の生物に移行します。この他、細菌による分解、人や鳥による漁獲・捕獲等、多くの循環ルートを想定します。
このように、JANUSは、物理モデルに追加して生物の関与する部分を「生物圏モデル」として検討しています。
