三井海洋開発のLCO2浮体式貯蔵・注入ユニット、ABSおよびBureau VeritasよりAiP取得

2025年09月29日

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三井海洋開発(MODEC)は、液化CO2(LCO2)を洋上で一時的に受け入れ、海底井戸に圧入するLCO2 FSIU (Floating Storage & Injection Unit :浮体式貯蔵・注入ユニット)の AiP (Approval in Principle: 基本設計承認)を ABS(American Bureau of Shipping:米国船級協会)とビューローベリタス(Bureau Veritas:フランス船級協会)より取得したことを発表しました。
 
MODECが開発したFSIUは、低温・低圧状態で輸送されたLCO2を輸送船から洋上で受け入れ、一時的に貯蔵したのち、高圧で海底下の貯留層に圧入するものです。タンク最小総貯蔵容量100,000㎥、年間最大1,000万トンのLCO2圧入能力を実現するよう設計されており、船尾での積み込み(タンデム・ローディング、最大90,000㎥)と左舷側での積み込み(サイドバイサイド・ローディング、最大50,000㎥)の両方を装備しています。
 
船体は三菱造船と共同開発し、係留システムはMODECの米国子会社SOFECによるExternal Turretを搭載しています。またトップサイドにはCO2回収システムを搭載したディーゼルエンジン発電機を装備しており、操業に伴うCO2の排出を最小限に抑えるとしています。
 
さらに、これらのコンセプトを商船三井との協力によって開発しており、商船三井がLCO2輸送経験により培った経験と市場での地位、安全な輸送・積出に関する手法が活かされているとしています。
 
また、Bureau VeritasからのAiP取得にあたっては、Bureau Veritasの技術的専門家によるFSIUに対する包括的な設計レビューが実施されています。船体構造、係留設備、LCO2の貯蔵及び取り扱い、そして注入システムに関連する主要な安全性の確認が含まれており、Bureau Veritasの規則や国際規約と照合した厳密な評価により、FSIUの技術的および運用上の実現可能性が検証されたとしています。
 
詳細は以下をご覧ください。
 
三井海洋開発によるプレスリリース
https://www.modec.com/jp/news/2025/20250911_pr_FSIU-AIP_ABS.html
 
https://www.modec.com/jp/news/2025/20250912_pr_FSIU-AIP_BV.html
 
ABSによるプレスリリース
http://ww2.eagle.org/en/newsdetail.619a7263.html
 
BVによるプレスリリース
https://marine-offshore.bureauveritas.com/bureau-veritas-issues-aip-modec-new-vessel-concept
 
関連ニュース
https://www.marinelink.com/news/abs-approves-modecs-offshore-lco-storage-529783