背景と課題
「漁業補償は特殊で分かりにくい」とよく言われますが、陸上の補償と変わることなく「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」に則って算定されます。しかし、漁業は、水中に生息する生物を対象としているため、その実態把握には多くの労力を要し、さらに、自然環境の変動を受けていることから、事業に起因する影響の度合いを事前に予測することは難しいのです。
そのため、漁業補償は次の点で陸上の補償案件と異なります。
- 漁業権は法律で譲渡・売買を禁止されているため、取引価格というものが存在しない。
- 陸上の土地等の評価に比べて、普段、人間が目にすることができない水中に生息している魚貝類を対象としているため、その実態をつかみづらい。
- 魚貝類の生息環境は、自然変動による影響も大きく、その変化を人間が、直接、観察することは難しい。
- 漁業に関する公的資料は存在するが、漁獲量等の統計値は大まかな区分であり、補償実務で必要となる局所的な利用には限界がある。
このように、漁業補償は、陸上の補償案件と同じレベルでは論じられません。上記の命題に対応するコンサルタントは、次の要件を満たしている必要があります。
- 漁獲対象生物の専門家である。
- 漁業実態(操業・経営)の専門家である。
- 漁場環境に関する専門家である。
- 補償理論に関する専門家である(営業補償、事業損失)。
JANUSでは、昭和54年から漁業補償コンサルティング業務を行っており、これまでに数々の実績があります。
JANUSでは、技術士、補償業務管理士資格を有する専門スタッフ集団が、各地の公共事業に伴う漁業補償のための関連調査、影響予測・検討評価、補償額の算定のほか、工事中のモニタリングを実施する等、水域における公共事業の円滑な推進を助勢しています。
業務実績/サービス例
当社における漁業補償コンサルティング業務の実績
事 業 | 河 川 | 湖 沼 | 海 域 |
ダム・堰建設 | ● | ||
取水・導水事業 | ● | ● | |
橋梁建設・改築 | ● | ● | ● |
埋立て(道路・空港建設) | ● | ||
発電所立地 | ● |