石油コンビナート防災・保安のデジタル化・高度化
背景と課題
近年、危険物施設の事故件数は増加傾向にあることから、実災害に即した警防活動支援ツールとして使用でき、シナリオ非提示型の図上演習等の実践により的確な防御活動を学ぶことができる防災教育・訓練ツールが必要です。
さらに、現在の社会情勢や技術動向も鑑み、危険物施設においても防災対策や日常保安でのデジタル化の推進も必須です。
サービス/技術
JANUSは、米国AMMI社(AMMI Risk Solutions)開発のソフトウェア「PRISM」を活用して構築する「電子版消火計画(PRISM火災戦略AI)」と、危険物保安技術協会(KHK)が開発する「VR型構内図」を用いた、石油コンビナートの防災・保安活動のデジタル化・高度化推進を提案しています。
「PRISM火災戦略AI」は、石油コンビナートのみならず、各種プラントも対象としたデジタル版の消火計画であり、事前に入力した情報(消防設備、危険物、警防計画等)を基に、事故時の条件(発災場所、風向風速等)を入力することで、シナリオの自動表示や推奨される選択肢の提示が行われます。実災害時のみならず、防災訓練においても活用可能であり、従来のシナリオベースの訓練では経験できない、実践に即した訓練が可能となります。
「VR型構内図」は、危険物施設内(地上・上空)で撮影した360°写真で構成され、画像内に事業所が保有する各種デジタル情報を集約したものです。日常用途として、関係者間での施設情報の共有、現場確認の代替手段、入構者教育等を想定しています。また、災害時には「PRISM火災戦略AI」と連携し、組織間(事業所、消防機関等)の情報共有や警防戦略の立案で活用を想定しています。
さらに、「PRISM火災戦略AI」や「VR型構内図」と日常の保安活動とを連携することで、災害時に構内の状況やタンクの貯蔵量をリアルタイムに把握することが可能となります。また、施設操業の高度化という観点で、プラントの管理・診断システムとの連携もご検討いただけます。
VR型構内図のイメージ
「PRISM火災戦略AI」と「VR型構内図」を組み合わせた訓練、実災害対応のイメージ
参考資料
「PRISM火災戦略AI」の開発経緯及びユーザー(原子力業界)の意見をまとめた説明用動画を、こちらからご覧いただけます。