米国初となる炭素税法案がワシントン州で成立か
2016年10月28日
二酸化炭素価格付け制度の議論が停滞している米国で唯一、ワシントン州では炭素税法案に関する議論が進んでおり、来月の住民投票の行方が注目されていることを複数のメディアが報じています。ワシントン州における炭素税導入を提案するInitiative 732は、化石燃料(石油、ガス、石炭)から排出される温室効果ガスを対象とし、2017年に$15/トン、2018年には$25/トン、その後数十年かけて$100/トンにまで引き上げる規定を含んでいます。
Courthouse news serviceの記事によると、この法案はカナダのBritish Columbiaの類似政策をモデルとし、「税収中立型」となるとしています。税収は、州における消費税の1%引き下げと事業・職業税の減税に充てられるようです。また、低所得世帯は税額控除を受けることができるとしています。
KOMOnews.comの記事によると、9月下旬から10月上旬に実施された世論調査では、本法案を支持すると答えた人は42-37%、未定と答えた人は21%であり現時点では法案成立が優勢なようです。ただし、過去の例から、未定と回答した人は「反対」に投じる傾向があるため、安心はできないとの見方もあるようです。
詳細は、以下をご覧ください。
Initiative 732 法案全文
https://sos.wa.gov/_assets/elections/initiatives/FinalText_779.pdf
Initiative 732の概要
https://ballotpedia.org/Washington_Carbon_Emission_Tax_and_Sales_Tax_Reduction,_Initiative_732_(2016)
関連ニュース
http://www.nytimes.com/2016/10/24/opinion/washington-states-ambitious-carbon-tax-proposal.html?_r=0
http://komonews.com/news/local/komo-poll-murray-has-double-digit-lead-in-senate-race-voters-divided-on-initiatives
http://www.courthousenews.com/2016/10/27/carbon-tax-proposal-makes-washington-ballot.htm
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-lefts-opposition-to-a-carbon-tax-shows-theres-something-deeply-wrong-with-the-left/2016/10/27/2b6e6bea-9bb4-11e6-a0ed-ab0774c1eaa5_story.html?utm_term=.0f17d9c16c17