Stanford大学、CCSとDACの有効性に疑問を投げかける論文

2019年11月14日

Stanford大学のMark Z. Jacobson氏による論文が学術誌「Energy and Environmental Science」に掲載されました。CCSやDACの有効性に疑問を投げかける内容であるため、多くのメディアが取り上げています。

本論文では実在する、石炭火力発電所におけるCO2の回収・利用(CCU)設備と、統合的な大気からの直接回収・利用(SDACCU)設備のデータを用いて、CO2削減能力を分析しています。回収・利用設備の動力源はいずれも天然ガスタービンと仮定しています。
関係する全工程を考慮した正味回収率を検討した結果、20年間でCCUプラントではCO2換算(CO2e)排出量のわずか10.8%、SDACCUプラントでは10.5%のみの回収であり、100年間でもわずか20〜31%の回収となりました。
本論文では、最終的な正味の低回収率の要因として、上流工程における排出や設備を稼働させるための動力源の天然ガス燃焼からの排出を挙げています。

詳細は以下をご覧ください。

論文の概要
“The health and climate impacts of carbon capture and direct air capture”
https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2019/ee/c9ee02709b/unauth#!divAbstract 

Stanford Universityによるプレスリリース
https://news.stanford.edu/2019/10/25/study-casts-doubt-carbon-capture/

関連ニュース
https://www.utilitydive.com/news/house-introduces-500m-carbon-capture-bill-as-study-questions-technologys/566145/

https://www.futurity.org/carbon-capture-climate-change-2195712/

https://www.triplepundit.com/story/2019/carbon-capture-could-do-more-harm-good-researchers-say/85466