米国IRS、45Q税額控除に関する新たな規則案を公表
2020年06月09日
米国の内国歳入庁(IRS)が、新たに45Q税額控除に関する規則案(proposed regulations)を公表しました。この度提案された規則案は、これまで不明確な点が残されていた、以下の課題を明確化するものとなっています。
・CO2が安全に貯留されていることを決定する手順
・税額控除の帰属先を決定するための一般規定の例外
・第三者が税額控除を請求できるように納税者が選定を行うための手順
・適切なCO2利用の算定のための基準
・税額控除の戻し入れ計算(recapture)のための規定
特に注目されていた、CO2-EORを実施する事業者が安全な貯留を確保するための規定について、IRSは環境庁、エネルギー省、内務省と協議した結果、 EPAからMRV計画の承認を受ける代わりに、CSA/ANSI ISO 27916:2019 “Carbon dioxide capture, transportation and geological storage — Carbon dioxide storage using enhanced oil recovery (CO2-EOR)” に基づく算定手法を用いることに合意したことを明らかにしています。
これまでは、 CO2-EORを実施する事業者が、UICプログラムのClass VI許可(=GHGRP制度のsubpart RRの対象であり、EPA承認のMRV計画策定が必須)を得ていない場合、つまり、UICプログラムのClass II許可しか持たない場合には、追加でEPA承認のMRV計画を策定することが必須となっていたため、これをCSA/ANSI ISO 27916:2019の順守で代替できることにより、事業者の負担が軽減できるとしています。
この他に、CO2利用の算定のための基準として、ISO 14044:2006, “Environmental management – Life cycle assessment – Requirements and Guidelines”に従いLCAを実施し、第三者機関による認定を受けることを必須とする提案をしています。
この規則案は、IRSが2月に公表したガイダンス等に加え、45Q税額控除の要件をさらに明確化するものとなっています。
詳細は以下をご覧ください。
45Q税額控除に関する規則案の入手先
https://www.irs.gov/pub/irs-drop/reg-112339-19.pdf
IRSによるプレスリリース
https://www.irs.gov/newsroom/treasury-irs-provide-regulations-to-help-businesses-claim-credits-for-carbon-capture