マイクロソフト、CO2除去の購入取り組みから得た教訓を学術誌Natureに投稿

2021年10月12日

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マイクロソフトの担当チームは、Columbia UniversityやEnvironmental Defense Fundの専門家と共同で、マイクロソフトが昨年1月に公表した創設以来の排出CO2を除去する計画の経過と、これまでに得られた教訓を学術誌Natureに掲載しました。

本記事では、大きく3つの教訓が示されています。

第一に、CO2の除去・貯留が可能となる提案が非常に少なかったことが挙げられています。マイクロソフトは、189件の提案を受理し、今後数年間で154MtのCO2削減が可能と主張するものであったが、すぐに利用できるのは55 Mt-CO2のみであり、さらにマイクロソフトが求めるCO2除去に関する基準を満たしたものは、わずか2Mt-CO2のみだったと明らかにしています。マイクロソフトと同様にCO2除去計画を展開している金融サービス企業Stripeも、合計16MtのCO2を削減可能とする47件の提案を受けたが、少なくとも1,000年間CO2が隔離され続けるという要件を満たしたのは、わずか0.024 Mt-CO2であったとしています。

第二に、企業の基準を満たす提案が少ないということは、明確な定義と基準が存在していない問題を反映しているとしています。マイクロソフトに提案されたものの約5分の1は、大気からCO2を除去することではなく、新たな排出を回避することに焦点を当てていたため、認められなかったとしています。また他の提案では、信頼性を確保できるような技術的情報がなかったため、認められなかったとしています。除去されたCO2を測定、報告、検証する標準的な方法が確立されておらず、このような曖昧性が投資の障壁となっているとしています。

第三に、短期的貯留と長期的貯留の区別がないことが課題であるとしています。マイクロソフトが受け取った提案のほとんどは、100年未満のCO2隔離である樹木や土壌による固定プロジェクトであったとしています(合計で95%以上)。

詳細は以下をご覧ください。

Nature記事
https://www.nature.com/articles/d41586-021-02606-3

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https://www.cnbc.com/2021/09/30/microsoft-calls-for-more-investment-in-carbon-capture-technology.html