デンマークDTU、廃棄物焼却施設におけるCCSのライフサイクル分析の結果を公表

2021年11月17日

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デンマーク工科大学(DTU)は、CopenhagenのAmager Bakke廃棄物焼却施設にCCSを追設した場合のライフサイクル分析(LCA)を実施し、その結果をまとめたレポートを公表しました。
今回の現在DTUが設置したパイロットプラントだけでなく、Amager Bakke廃棄物焼却施設全体を評価することにより、気候変動への影響の観点からCO2回収プラントの長所と短所を検討することが可能になったとしています。

LCAの焦点は、焼却施設によって生成されるエネルギーに対するCO2回収プラントの影響、及びその他の環境影響を調査することであり、複数の廃棄物の組み合わせのシナリオが対象となっています。

DTUによるとCO2回収により、焼却施設からのCO2排出量が削減されるが、発電量は約50%減少するため、通常これは全体的なCO2収支に影響を及ぼすとしています。ただAmager Bakkeでは、CO2回収からの蒸気により、地域暖房システムに利用可能な熱出力が20%増加するため、全体の正味エネルギー効率は影響を受けないことが分かったとしています。

気候変動に対するその他の影響は、主にCO2の輸送と地中貯留に関連する温室効果ガスの大気への放出の可能性となっているが、この可能性を考慮しても、CO2の回収は気候変動対策において利益が上回るとの結論が出たとしています。

詳細は以下をご覧ください。

DTUによるプレスリリース
https://www.dtu.dk/english/news/Nyhed?id={FCF570EF-DB7C-440A-AA12-196D794307EF}

DTUが公開するレポート:Environmental assessment of amending the Amager Bakke incineration plant in Copenhagen with carbon capture and storage
https://backend.orbit.dtu.dk/ws/files/258076236/Bisinella_et_al._ARC_CCS_2021.pdf

Waste Management & Research: The Journal for a Sustainable Circular Economyで公開されたレポート
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0734242X211048125

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https://www.sciencedaily.com/releases/2021/11/211109120312.htm