東京都立大学大学院及び京都大学触媒・電池元素戦略拠点の研究者ら、CO2を99%以上の効率で除去する新しいDACシステムの開発に成功

2022年06月01日

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東京都立大学大学院の理学研究科及び都市環境科学研究科、並びに京都大学触媒・電池元素戦略拠点の研究者らは、相分離を利用することでCO2吸収速度の向上と反応系からの生成物の分離を実現し、ガス流通下でも400ppmのCO2を99%以上の効率で除去する新しいDACシステムの開発に成功したと公表し、その成果を学術誌ACS Environmental Auに掲載しています。

今回の研究では、シクロヘキシルアミン基をもつジアミン化合物の一種であるイソホロンジアミンがCO2と反応すると、不安定なカルバミン酸が固体として得られることを利用して、大気中の低濃度CO2を高速で吸収できるDAC技術の開発に成功したとしています。固体のカルバミン酸が懸濁した水溶液を60℃に加熱すると吸収したCO2を全て放出・回収できること、イソホロンジアミン水溶液は繰り返し利用可能であること、他のアミンでも本システムを適用可能であること、既存技術と比べCO2吸収速度が2倍以上速いことから、今回発見した相分離を利用したCO2吸収・回収システムは新しいDACシステムとして実用化が期待されています。

さらに、本システムは400ppm〜30%と幅広い濃度のCO2を99%以上の除去効率で吸収できること、固体のカルバミン酸を生成するアミンであれば適用可能であることから、DACだけでなく工場の排気ガス等からのCO2回収にも応用可能な汎用性の高いシステムであるとしています。

詳細は以下をご覧ください。

東京都立大学によるプレスリリース
https://www.tmu.ac.jp/news/topics/31765.html

論文「Direct Air Capture of CO2 Using Liquid Amine–Solid Carbamic Acid Phase-Separation System Using Diamines Bearing Aminocyclohexyl Group」の入手先
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsenvironau.1c00065

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https://www.gasworld.com/new-carbon-capture-method-99-efficient/2023240.article

https://interestingengineering.com/direct-carbon-capture-99-percent-efficient