サウジアラビアのAramco、CCSを用いた低炭素水素、DAC、CO2鉱物化による貯留の開発を進める
2023年10月24日
サウジアラビア国営の石油会社Aramco(旧Saudi Aramco)は、低炭素水素、DAC、CO2鉱物化によるCO2貯留への新たなアプローチ、地熱エネルギーの利用など、排出削減ソリューションの開発を進めていることを発表しました。
・低炭素水素の実証プラント建設について
デンマークにおけるパイロットプロジェクトの成功を受けて、AramcoはサウジアラビアのShaybah天然ガス液(NGL)回収施設に低炭素水素実証プラントを建設するため、排出削減のための触媒・プロセス技術を提供するデンマークのTopsoeとエンジニアリング契約を締結する手続きを進めていることを明らかにしました。この実証プラントは、6トン/日の水素の生産能力があり、炭化水素の電化水蒸気改質(electrified SMR, eSMR)に再生可能エネルギーを利用して発電用の低炭素水素を生産し、そこで生じるCO2は回収・貯留する計画としています。
・DAC試験装置の開発について
AramcoはSiemens Energyと協力して、年間最大12トンのCO2を回収できる能力を備えたDAC試験装置をサウジアラビアのDhahranで開発しています。この試験装置は2024年に完成する予定で、年間1,250トンのCO2回収能力を持つ大規模なパイロットプラントへ移行することを目的としています。
・サウジアラビアJazanにおけるCO2鉱物化によるCO2貯留のパイロット試験について
さらにAramcoは、サウジアラビアのJazanでCO2を水に溶解し、火山岩に圧入する原位置鉱物化を利用した新たなCO2貯留ソリューションのパイロット試験に成功したことも明らかにしました。このプロセスは CO2を炭酸塩岩へ永久的に変換するもので、パイロット チームにはAramcoとKing Abdullah University of Science and Technologyの代表者が参加しました。コスト削減のために効率を高めた、複数の革新的な技術が開発され、パイロットで導入されたとしています。
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Aramcoによるプレスリリース