ドイツ連邦政府、炭素管理戦略の概要とCCS法の改正法案を策定
2024年03月11日
[ドイツ連邦経済エネルギー省プレスリリース:2024年2月26日発表]
ドイツ連邦政府の経済エネルギー省(BMWK)は、炭素管理戦略の概要とCCS法(KSpG)の改正法案を公表しました。
ドイツのCCS法(KSpG)は2012年に制定されましたが、試験・研究目的での貯留に限定されていました。同法は4年に一度の頻度で評価することも規定しており、この規定に基づきBMWKが2022年12月に公表した評価報告書において、ドイツがカーボンニュートラルを達成するためにはCCSとCCUの活用が必要であり、CO2のパイプライン輸送や必要なインフラ整備に関する法整備の必要性にも言及していました。
今回公表されたCCS法(KSpG)の改正法案のポイントは以下の通りです。
➀対象とするCO2排出源
・石炭火力発電所によるCO2パイプラインへのアクセスは認めない(事実上、石炭火力発電所へのCCS/CCUの適用を排除)
➁CO2貯留を許可する範囲
・ドイツの領海(EEZまたは大陸棚)内におけるCO2貯留のための探査と商業利用のための開発を許可(海洋保護区を除く)
・陸域におけるCO2貯留は認めない
➂CO2パイプラインに対する承認制度を創設
・CO2パイプラインに対する統一的な承認制度を創設し、民間資金でのCO2パイプラインの建設開始が可能となる
・天然ガスパイプラインをCO2輸送パイプラインへ転用することを促進する枠組みを導入
これに伴い、ドイツ連邦政府はロンドン議定書の担保法である公海輸送法(Hohe-See-Einbringungsgesetz )を改正し、CCSを目的とするCO2の輸出を認めるロンドン議定書第6条改正を受託する予定であることも明らかにしています。
詳細は以下をご覧ください。
ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWK)によるプレスリリース
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