欧州理事会、CO2除去に関する認証枠組みに関する規則を承認

2024年12月11日

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欧州理事会は、「恒久的な炭素除去、カーボンファーミング、製品中への炭素固定に関するEU認証枠組みを確立する規則(Regulation establishing a Union certification framework for permanent carbon removals, carbon farming and carbon storage in products)」を最終承認したことを発表しました。
 
この規則は、炭素除去と土壌からの排出の削減に関する包括的な認証枠組みをEUの法律に導入する第一歩となり、以下の活動を対象としています:
大気中または生物起源のCO2を回収し、貯留する恒久的な炭素除去(例:BECCS、DACCS)
炭素を吸収し、最低35年間の長期間製品に固定する活動(木質建設用製品など)
森林や土壌での炭素隔離と貯蔵を強化する、または土壌からの温室効果ガスの排出を削減する、最低5年間実施するカーボンファーミング活動 (例:森林再生、泥炭地や湿地の復元、肥料の使用改善)
 
<認証基準>
炭素除去活動が認証を受けるには、以下の4つの包括的基準を満たす必要があります。さらに、認証の対象となる活動は、独立した第三者認証機関により検証される必要があります。
炭素除去または土壌からの排出削減の純益(net benefit)が定量化されていること
追加性がある(additional)こと(つまり、事業者レベルで法定要件を超えており、認証のインセンティブがなければ経済的に実行可能ではないこと)
炭素放出(漏洩)のリスクを最小限に抑えながら、炭素の長期貯留/固定の確保を目指していること
環境に重大な損害を与えずに1つ以上の持続可能性目標に共同利益をもたらすこと
 
<認証制度>
事業者が規則を順守していることを証明するための認証制度が設けられます。これらの制度は、堅牢かつ透明性のあるモニタリング、検証、報告(MVR)のルールに従います。また、回収したCO2が大気中に放出(漏洩)した場合に対処するために、事業者が責任を負う仕組みも設けるとしています。
 
<EU登録簿>
規則発効から4年間で、認証単位(certified units)の透明性と完全な追跡可能性を確保するために、EU全体の電子登録簿を欧州委員会が確立します。
 
今回の承認は規則(Regulation)であるため、EU官報公開から20日後に発効し、その後すべてのEU 加盟国で直接適用されます。
 
詳細は以下をご覧ください。
 
欧州理事会によるプレスリリース
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2024/11/19/council-greenlights-eu-certification-framework-for-permanent-carbon-removals-carbon-farming-and-carbon-storage-in-products/
 
「恒久的な炭素除去、カーボンファーミング、製品中への炭素固定に関するEU認証枠組みを確立する規則」の入手先
https://data.consilium.europa.eu/doc/document/PE-92-2024-INIT/en/pdf
 
関連ニュース
https://carbonherald.com/eu-approves-first-official-certification-framework-for-carbon-removals/