米国45Qの税額を含む改正と45Vを廃止する減税法案、成立
2025年07月10日
米国議会で審議されていた包括的な減税法案(通称、One Big Beautiful Bill Act)が、7月1日に上院で可決しました。賛成51票、反対50票の1票差での可決でした。
その後、7月3日には上院可決版を再度下院が可決(賛成218票、反対214票)し、7月4日にトランプ大統領が署名し、法案が成立しました。
今回成立した減税法案には、CO2貯留を対象とする45Q税額控除に対する改正や、クリーン水素製造を対象とする45V税額控除を廃止する改正も含まれています。
➀ CO2貯留に対する税額控除(45Q税額控除)の改正
・外国法人および外国資本を含む法人への45Q税額控除の適用の禁止
・控除額を地中貯留、CO2-EOR、CO2利用の区別なく、基本控除を$17(回収がDACによる場合には$36)に統一
・これに伴い、建設などにあたり賃金や労働条件(見習い要件)等の要件を満たすことで適格となる最大控除額も$85(DACの場合は$180)に統一
※1:地中貯留の税額控除額に統一される形であり、実質的にCO2-EORとCO2利用の事業は税額控除額の増額となります
※2:5月時点で下院通過版の法案に含まれていた45Q税額控除の移行(transferability)の廃止は、上院修正によりなくなりました
➁ クリーン水素製造税額控除(45V税額控除)の廃止
クリーン水素製造を対象とする45V税額控除は、現在2033年1月1日までに建設が開始されるプロジェクトが対象となっていますが、対象となる建設開始期限を2028年1月1日に改正され、45V税額控除が2027年いっぱいで終了する内容となりました。
詳細は以下をご覧ください。
One Big Beautiful Bill Act(H.R.1)の概要
https://www.congress.gov/bill/119th-congress/house-bill/1
関連ニュース
https://www.bdlaw.com/publications/congress-eyes-sweeping-changes-to-carbon-and-biomass-incentives-45q-tax-credit-reforms-new-biochar-program-and-forest-residues-carbon-credit-introduced/