GCMD、中国でCO2船上回収のバリューチェーン実証実験を完了

2025年07月23日

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海運の脱炭素化を推進するシンガポールの非営利団体Global Centre for Maritime Decarbonisation(GCMD)は、中国において、CO2船上回収のバリューチェーン全体を実証する世界初の海上実証実験を成功裏に完了したことを発表しました。
 
実証実験は2つのフェーズで構成されています。第1フェーズでは、Shanghai Qiyao Environmental Technology Co., Ltd.(SMDERI-QET)が、コンテナ船MV Ever Top号で回収した25.44トンのCO2を受入船Dejin 26号へ移送する、ship-to-ship(STS)transferを実施しました。その後、CO2は浙江省舟山市の桟橋でDejin 26号からタンクローリーに積み替えています。第2フェーズでは、GCMDが主導し、回収したCO2の最終用途となる内モンゴル自治区にあるGreenOreとBaotou SteelのJVプラントまで輸送し、持続可能な建設資材として低炭素炭酸カルシウムの製造に利用されました。
 
この研究では、船上回収したCO2のライフサイクル排出量を、様々な貯留・利用経路にわたって評価しました。回収CO2が「有害廃棄物」に指定されると、再利用が禁止され、処分が義務付けられるため、回収CO2の分類は重要な課題でした。関係当局との緊密な連携により、このパイロットプロジェクトで回収したCO2は「有害貨物」に指定されたため、これらの制限が解除され、産業原料としての利用が可能となりました。
 
詳細は以下をご覧ください。
 
​GCMDによるプレスリリース
https://gcformd.org/gcmd-successfully-demonstrates-worlds-first-end-to-end-value-chain-for-onboard-captured-co2/
 
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