米国ニューメキシコ州のSan Juan発電所の95%の所有権をEnchant Energyが取得・CCSレトロフィットにFarmington市と合意

2019年08月23日

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Farmington市とEnchant Energyは、2022年にはSan Juan発電所(847MW)の所有権の95%をEnchant Energyが取得し、CO2回収設備をレトロフィットすることに合意したことを発表しました。Farmington市の所有権は現状の5%のままとなるようです。

Enchant Energyのプレスリリースによると、この合意は、2022年6月末で閉鎖される予定だった同発電所を経済的に延命し、電力消費者への追加的な費用負担なく、安定した、低価格、低炭素なベースロード電力の供給を可能にする上で重要な第一歩となるとしています。 なお、回収したCO2はパイプラインを通じてEORに用いられます。

この合意の重要な点として、以下をあげています。
・San Juan発電所が2022年に閉鎖する場合に比べ、2027年まで操業する方が電力消費者にとって2,700万ドルの節約となる。
・CO2回収設備のレトロフィットの部分にFarmington市は関与も投資もせず、いかなる責任を負うことも想定していない。
・合意に基づき、すべてのコストは発電とCO2回収で区別し、発電のみに関連するコストの5%はFarmington市が負担するとしている。
・合意には、電力価格の保護も含まれており、Farmington市へ示される電力価格は、毎月の実費または、2018年までの5年間の平均の80%のうちより低い方となる。
・Farmington市は、約1億2,700万ドルの支出を繰り延べることができる。
・発電所の廃止コストはSan Juan廃止合意に基づき決定されるが、Farmington市が廃止コストのうち5%を負担する責任がある。Enchant Energyは、2022年より前の発電関連の廃止については責任が生じないが、2022年以降については廃止コストの95%を負担することとなる。

詳細は以下をご覧ください。

Enchant Energyによるプレスリリース
https://www.enchantenergy.com/press-release-city-of-farmington-and-enchant-energy-sign-agreement/

Enchant EnergyとCity of Farmingtonの合意文書
https://www.enchantenergy.com/wp-content/uploads/2019/08/Enchant-Fully-Executed-agreement.pdf

San Juan発電所のCCSレトロフィットに関するプレゼン資料
https://www.enchantenergy.com/wp-content/uploads/2019/07/Final-Enchant-SJGS-Presentation-to-San-Juan-Community-July-2019.pdf