オーストラリアWA州EPA、Gorgonプロジェクト認可時の条件を修正し明確化
2020年06月17日
オーストラリアの西オーストラリア(WA)州EPAは、LNG プラントにおいて行われているGorgonプロジェクトのCO2圧入開始が大幅に遅延していたことから、2019年に調査を実施していました。この調査結果をうけWA州EPAは、先月5月29日にプロジェクト認可時の許可条件を修正する大臣声明(Ministerial Statement 1136)を公表しました。Gorgonプロジェクトは2019年8月よりCO2回収及び圧入を行っており、年間最大400万トンを貯留量できるとされています。
プロジェクト認可時の許可条件では、「天然ガス精製プロセスにおけるCO2排出量の5年平均で80%を回収・貯留し、削減すること」を記載していましたが、排出量の計算の対象とする開始時期が不明確な状態となっていました。今回の大臣声明により、生産した天然ガスの輸送を開始した「2016年7月18日から5年平均で・・・」と、排出量の計算対象となる期間が明確となる修正が加わりました。
The Guardianの記事によると、この修正により明らかな許可条件違反となり、Gorgonプロジェクトを実施するChevronに対し1億ドルにのぼる罰金が課されるのではないかと分析する専門家もいるようです。プロジェクト許可条件が満たされているかの判断は、5年平均の期間である2021年7月頃にWA州政府によって下されるとしています。
詳細は以下をご覧ください。
2020年5月29日 公表:WA州 EPAのMinisterial Statement 1136
http://epa.wa.gov.au/sites/default/files/Ministerial_Statement/Statement%201136.pdf
修正の対象となったGorgonプロジェクト認可時のMinisterial Statement
2009年8月10日 公表:WA州 EPAのMinisterial Statement 800
http://www.epa.wa.gov.au/sites/default/files/1MINSTAT/Ministerial%20Statement%20800.pdf
2019年9月25日:WA州EPAによる調査結果
http://www.epa.wa.gov.au/sites/default/files/EPA_Report/2818-19%20-%20Gorgon%20Gas%20Development%20Revised%20and%20Expanded%20Proposal%20-%20EPA%20Report_0.pdf
WA州EPAのGorgonプロジェクト認可条件の見直しに関するサイト
http://www.epa.wa.gov.au/proposals/gorgon-gas-development-revised-and-expanded-proposal-s46-2161
関連ニュース
https://www.theguardian.com/australia-news/2020/jun/04/chevron-could-be-forced-to-pay-100m-for-failure-to-capture-carbon-emissions