米国Wyoming州、電気料金でCCUSプロジェクトを助成する仕組みをつくる法案成立、7月1日施行 <br />
2020年06月18日
Wyoming州で、住民からの電気料金を通じてCO2回収プロジェクトを助成する法案「HB0200 : Reliable and dispatchable low-carbon energy standards」が3月24日に州知事の署名により成立しており、2020年7月1日から施行されます。本法は、公共サービス委員会に対し、出力調整可能で信頼性の高い「低炭素(low-carbon)」な電力を最大限活用できる「エネルギーポートフォリオ基準」の作成を求めています。
「低炭素」な電力の定義は、CCUS技術を使用して、1メガワット時の発電あたりのCO2排出が年間平均650ポンド(約295kg)以下となる電力としています。
「低炭素」な電力の割合については、Wyoming州の公共サービス委員会に決定を委ねているため、具体的な数値は記載されていませんが、低炭素な電力を「最大(maximize)」活用できるような基準を作成することが求められています。
また公益事業者は、2023年以降二年ごとにエネルギーポートフォリオ基準が順次されているか、公共サービス委員会に報告することを要求されています。この報告を元に委員会はエネルギーポートフォリオを継続、変更、又は破棄するなどの判断を下すとされています。
さらに、公益事業者が、この「エネルギーポートフォリオ基準」の順守に追加費用が発生することを実証できる場合に限り、各顧客の合計電気料金の2%を超えない範囲で、追加料金を徴収することを認める内容となっています。
そのため、公益事業者は、この追加料金によってCCUS実施に必要となる追加的コストを回収することが認められるようになります。
詳細は以下をご覧ください。
成立した法案「HB0200」の本文
https://wyoleg.gov/2020/Enroll/HB0200.pdf
Wyoming州知事が法案に署名した際のプレスリリース(他多数の法案を含む)
https://governor.wyo.gov/media/news-releases/2020-news-releases/2020-bills-signed-into-law