ExxonMobilの研究者ら、新たなCO2回収技術「SWIRL」を開発
2022年03月03日
ExxonMobilとThe City College of New Yorkの研究者らは、アミン吸収液をコーティングした格子状のマイクロテクスチャー(微細構造)固体を用いてCO2を分離・回収する技術「solid with infused reactive liquid(SWIRL)」を開発し、その成果を学術誌Science Advancesに掲載しました。また、ExxonMobileは、この研究に基づき2件の米国特許を申請しています。従来のアミン吸収液によるCO2回収技術では、最大80%のエネルギーが吸収液の再生に使用され、大量の水を加熱して分離したCO2を回収する必要があります。一方で、今回開発されたSWIRLは、より少ない水を使用するアプローチであり、プロセスに必要なエネルギーが低減するとしています。また、SWIRLは、比較的安価でありながら、従来のアミン吸収によるCO2回収よりも体積当たりのCO2回収効率が良くなる可能性があるとしています。
C&ENは、Pacific Northwest National LaboratoryのCO2回収化学を専門とするDavid Heldebrant氏に取材しており、本技術に対するコメントが掲載されています。Heldebrant氏は、プロセスから水を排除することで、エネルギー使用量を20%削減できること、SWIRLは90℃で良好に機能するため、排ガスの冷却に必要なエネルギーも低減できることを指摘しています。ただし、Heldebrant氏は、SWIRLが提案する不活性ガスを用いた再生方法が商業規模の装置では実用的でない可能性も指摘しています。
詳細は以下をご覧ください。
論文「Solid with infused reactive liquid (SWIRL): A novel liquid-based separation approach for effective CO2 capture」の入手先
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abm0144
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https://cen.acs.org/materials/Liquid-infused-surfaces-capture-carbon-dioxide/100/i8