カナダ政府、2022年度予算においてCCUS向けの給付付き税額控除制度を提案
2022年04月15日
カナダ政府は2022年度予算を公表しました。この中で、一定の条件を満たすCCUSプロジェクトを対象とした給付付き税額控除(refundable investment tax credit)を2022年から開始することを提案しています。給付付き税額控除は、税金額がゼロまで控除された以上の金額を受け取ることができるため、実質的に補助金が交付されるような措置となります。対象となるCCUSプロジェクトには地中貯留及びコンクリートへのCO2固定が含まれるが、CO2-EORは含まれないとしています。
2022年から2030年にかけ、税額控除の割合は以下のように設定される提案です。
・DACによりCO2を回収するための設備に対する投資の場合は60%
・他のすべてのCCUSプロジェクトにおいてCO2を回収するための設備に対する投資の場合は50%
・CO2の輸送、貯留及び利用のための設備に対する投資は37.5%
産業界による排出削減への迅速な移行を奨励するため、これらの割合は2031年から2040年の間に50%削減される計画となっています。
提案された給付付き税額控除は、2022年-2023年から5年間で26億カナダドル(約2,340億円、1カナダドル=90円換算)の費用がかかり、2026-27年の年間費用は約15億カナダドル(約1,350億円、同上)になると予想されています。 その後も、この措置は2030年まで年間約15億ドルの費用がかかると予想されています。政府は、関連する州とも連携することを明らかにしています。
政府はまた、2030年までに税額控除の割合の見直しを行うこととしています。さらに、将来的にその他のCO2の利用について、その製品のCO2固定の永続性が実証でき、その使用によるCO2排出量の増加がない場合には、税額控除の対象として認められる可能性があるとしています。
詳細は以下をご覧ください。
カナダ政府の2022年度予算
https://budget.gc.ca/2022/home-accueil-en.html
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