カリフォルニア州議会、CCUS関連法案2件を可決・成立
2022年09月21日
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この度成立した法案2つは、S.B.905(Carbon sequestration: Carbon Capture, Removal, Utilization, and Storage Program)とS.B.1314(Oil and gas: Class II injection wells: enhanced oil recovery)です。
◎S.B. 905(Carbon sequestration: Carbon Capture, Removal, Utilization, and Storage Program)
S.B. 905は、CCUSプロジェクトの規制枠組みの策定をCARB(カリフォルニア州大気資源局)に要求するものです。この法案では、CARBに対し以下を要求しています。
•許可プロセスを迅速化するために、CCUS プロジェクトの建設のための州全体で統一された許可申請の規則とすること-関連する州の機関は、すべての許認可において統一された申請書を使用する必要があるとしています。
•州全体におけるCCUS及びCO2除去技術の展開とCCUS プロジェクトの開発を追跡するための集約型データベースを開発すること。
•CO2の利用又は貯留の新たな方法をサポートするためのプロトコルを採用すること。
•CCUSプロジェクトに適用される財務責任規則を策定すること。
S.B. 905には、CCUSプロジェクトの財産権に直接関連する条項も含まれています。例として、天然資源庁(Natural Resources Agency)に対し、CARBと協議して、CCUS プロジェクトの貯留層の上に2つ以上の土地がある場合の合意形成を管理する枠組みを公開することを要求しています。また、貯留層の所有権は、切り離されて個別に譲渡されていない限り、その地上の不動産の所有者に帰属することを規定し、貯留層の所有権の譲渡に関する要件も示しています。
モニタリング及び報告により地震活動の増加又は貯留層からCO2が漏洩していることが示されている場合に、CCUSプロジェクトの操業を変更することをCARBが要求する権限も付与しています。また、CCUSプロジェクトの事業者に対する財政責任の規定として、CO2漏洩のリスクが無いことを証明するのに十分な期間として圧入終了後100年以上の財政的責任を維持することを定めています。
この他にも、CCUSプロジェクトの事業者に対する要件も規定しています。
◎S.B. 1314(Oil and gas: Class II injection wells: enhanced oil recovery)
S.B. 1314は、CCUSプロジェクトにおいて回収したCO2をEORに利用することを禁止する法案です。カリフォルニア州議会は「CCSの目的はカーボンニュートラルな社会への移行を促進することであり、化石燃料生鮮への継続的な依存を促進することではない」と宣言し、この法案においてCCUSプロジェクトで回収されたCO2流をUICプログラムのClass II圧入井にCO2-EORの目的で圧入することを禁止しています。
詳細は以下をご覧ください。
SB905の概要
https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billNavClient.xhtml?bill_id=202120220SB905
SB1314の概要
https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=202120220SB1314
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