三菱重工、イタリアRavenna CCSプロジェクトに提供のCO2回収プラント稼働開始

2024年10月09日

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三菱重工業は、イタリアのラヴェンナ県・カサルボルセッティ(Ravenna、Casalborsetti)にある天然ガス供給設備において、同社が開発したCO2回収技術「KM CDR Process™」を導入したCO2回収プラントが稼働を開始したと発表しました。天然ガスタービンからの燃焼排ガスから最大96%のCO2を回収するフルスケールのプラント稼働であり、排ガス中のCO2濃度が3%未満、かつ低圧であるため、CO2回収技術にとって大きな成果としています。
 
イタリアの総合エネルギー企業大手であるEniがSnamと共同で立ち上げたイタリア初のCCSプロジェクト「Ravenna CCS」の第一段階として、年間約2万5,000トンのCO2を回収する見込みです。
 
三菱重工業は、イタリア大手エンジニアリング会社のMAIRE傘下のNEXTCHEMを通じ、本プロジェクト向けにCO2回収技術ライセンスの供与ならびに基本設計パッケージ(PDP:Process Design Package)を提供しています。NEXTCHEMは技術インテグレーターとして、同じくMAIRE傘下のKTとの協業により、CO2回収プラントの設計・調達・建設(EPC)取りまとめを手掛けて納入したものです。
 
本プラントで回収されたCO2は、パイプライン輸送により水深約3,000m級の海底にあるEniのPorto Corsini Mare Ovest枯渇ガス田に圧入・貯留されます。この枯渇ガス田は、今後Ravenna CCSプロジェクトの第二段階としてさらに開発が進められ、2030年までに年間最大400万トンのCO2の貯留が可能となる見通しです。
 
詳細は以下をご覧ください。
 
MHIによるプレスリリース
https://www.mhi.com/jp/news/24091802.html
 
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https://www.jcnnewswire.com/pressrelease/92905/3/Europes-First-Post-Combustion-Carbon-Capture-Plant-Starts-Operation-with-MHI-Technology-as-part-of-t