GCMDとBCG、CO2貯留のための越境輸送における船舶輸送の重要性を示す報告書

2024年12月26日

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海運の脱炭素化を推進するシンガポールの非営利団体Global Centre for Maritime Decarbonisation (GCMD)とボストンコンサルティンググループ(BCG)は、CO2貯留のための越境輸送に関する共同調査を実施し、船舶輸送が重要な役割を果たすことを示す成果報告書“Opportunities for Shipping to Enable Cross-border CCUS Initiatives”を公表しました。
 
この文書では、特にアジア太平洋(APAC)地域ではヨーロッパに比べて広大な海域が排出源と貯留サイトを隔てているため、CO2船舶の輸送が特に重要になると結論付けています。調査では、同じ量のCO2を長距離輸送する場合、パイプライン輸送よりも船舶輸送の方が経済的に有利になることが示されました。船舶による年間500万トンのCO2輸送において、経済的に実行可能な閾値距離は500kmであることが確認されました。
 
この他にも以下のような検討が必要としています。
追加的な財政支援:炭素価格と越境輸送CCUSコストとの間に約10倍の差があるため
国内規制の整備(炭素会計とその検証方法、許可手続き)
越境プロジェクトの管轄権を明確にし、バリューチェーン全体で輸送中の CO2漏洩に対する商業的および運用上の責任を割り当てるための二国間/多国間の枠組み
技術基準の調和:CO2の圧力、温度、純度に関する明確な仕様
詳細は以下をご覧ください。
 
GCMDによるプレスリリース
https://gcformd.org/shipping-poised-to-play-a-vital-role-in-apac-cross-border-ccus-initiatives-with-annual-co2-shipping-volumes-projected-to-reach-100-mtpa-by-2050/
 
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