「沖縄ブルーカーボンプロジェクト」における産学連携推進に関する覚書を締結しました

2025年03月

 日本エヌ・ユー・エス株式会社、株式会社りゅうせき(以下、りゅうせき)、国立大学法人琉球大学(以下、琉大)、沖縄科学技術大学院大学(以下、OIST)は、「沖縄ブルーカーボンプロジェクト」における産学連携推進のため、以下の協力事項を含む4者間の覚書を締結いたしました。

協力事項
・沖縄全域のブルーカーボン生態系を研究するためのプラットフォームの構築
・沖縄の企業及び環境関連事業者のためのプラットフォームの構築
・環境保全啓発活動及び教育活動の推進


 ブルーカーボンとは、藻場、湿地・干潟、マングローブ林などの海洋生態系に蓄積される炭素を指し、そのような蓄積作用を有する生態系をブルーカーボン生態系と言います。

 ブルーカーボンは、2009年に国連環境計画(UNEP)によりCO2吸収源としての海の可能性が示され、近年注目が高まっています。
 わが国では、2023年提出のGHGインベントリ(国連に提出する排出・吸収量報告)においてブルーカーボンのCO2吸収量が初めて計上され、中長期的な目標として、ブルーカーボンによるCO2吸収量を2035年度に100万トン、2040年度に200万トンへ拡大することが掲げられています。
 また、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)により、ブルーカーボンを対象とする「Jブルークレジット」の認証・発行・管理が行われています。

 沖縄は豊かな自然を有する地域であり、世界的にも生物多様性の高い貴重な地域と言われています。ブルーカーボン生態系の回復・創出は、CO2吸収源の拡大によるカーボンニュートラルの実現に寄与するだけでなく、海洋生態系の保全により、2030年に向けて自然の損失を食い止め反転させるネイチャーポジティブの実現にも寄与するものです。

 加えて、ブルーカーボン事業には多岐にわたるステークホルダーが関与することから、各主体に対する様々な付加価値を創出することができます。

ブルーカーボン生態系のコベネフィット

引用元:国土交通省港湾局「海の森ブルーカーボン -CO2の新たな吸収源-」
https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001742416.pdf


 当社は、エネルギー、環境、社会科学の分野で培ってきた高度なコンサルティング能力を活かし、持続可能な社会、豊かで安心できる未来社会の構築に貢献することを目指し、本プロジェクトに関連する以下のような取り組みを進めてまいりました。
・クレジットの創出・活用を含む自治体や企業の脱炭素の取り組みの支援
・藻場のモニタリングや造成を含む海洋環境の保全
・水産資源管理や海業の振興等による漁業者の支援
・気候変動適応や海洋ごみ等の課題における関係者間の連携構築、普及啓発及び教育活動

 
 当社はこのような知見や経験を活かし、りゅうせき、琉大、OISTと協力して、本プロジェクトに取り組んでまいります。