インドネシア国、モルディブ国、マレーシア国における脱炭素社会実現のための都市間連携事業の採択について
2020年05月
当社と富山市及び富山市内企業では、以下の事業を共同提案し、環境省事業「令和2年度脱炭素社会実現のための都市間連携事業」に採択されましたので、お知らせします。- インドネシア共和国:「富山市・バリ州・スマラン市による都市間連携事業を活用したSDGs未来都市構築支援事業」
- モルディブ共和国:「富山市・マレ市都市間連携による持続可能な環境配慮型都市(スマートシティ)構築支援事業」
- マレーシア連邦:「バイオ燃料を活用した脱炭素交通による都市開発及び再生可能エネルギーの普及による脱炭素都市形成事業」
2016年11月に発効したパリ協定では、中央政府に加えて自治体・都市を含む非政府主体による気候変動対策を加速させることが掲げられており、具体的な地域の気候変動対策やプロジェクトを検討・実施するうえで、自治体等は重要な位置づけとなっています。環境省の「脱炭素社会実現のための都市間連携事業」は、脱炭素社会形成への取組を効果的・効率的に支援するため、日本の自治体が、日本の研究機関、民間企業、大学と連携し、海外都市に適した脱炭素・低炭素技術やサービスの活用、その他脱炭素化に向けた取組をより効率的に推進するものです。また、海外都市でのマスタープランの策定支援や技術の評価・選定プロセスの共有等、日本の自治体による脱炭素・低炭素化に向けた能力開発についても推進します。
富山市は、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを政策の基本として、持続可能な都市経営を目指す政策立案、意思決定を実現し、「環境未来都市」、「SDGs未来都市」として選定されている環境先進都市のひとつです。また、SDGsの17番目のゴールであるグローバル・パートナーシップ活性化の一環として、海外の都市と連携し、市や市内企業の環境に関する技術やノウハウの国際展開を進めています。
本調査では、富山市及び富山市内の優れた脱炭素技術を有する企業と協力し、インドネシア国、モルディブ国、マレーシア国の3ヶ国5都市において、脱炭素技術の適用可能性に関する調査を実施します。
インドネシア国では、バリ州及び中部ジャワ州スマラン市において、将来的な温室効果ガス削減ならびにそれに寄与するJCM設備補助案件形成を目指し、ディーゼルから天然ガスへの燃料転換事業や太陽光発電を軸とした再生可能エネルギーの普及に向けた検討を行います。
モルディブ国では、マレ首都圏フルマーレ地区において、スマートでコンパクトな環境配慮都市の実現を目指し、低炭素公共交通の整備事業、ディーゼル発電設備のガス転換事業、再生可能エネルギー/省エネルギー普及事業、有機性廃棄物を用いたバイオガス発電事業の検討を行います。
マレーシア国では、ジョホール州イスカンダル地域及びサバ州コタキナバル市において、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりの実現を目指し、バイオ燃料を活用した低炭素公共交通事業、小水力発電を軸とした再生可能エネルギーの普及事業の検討を行います。また、バイオ燃料を活用した低炭素公共交通事業では、グループ会社である日揮グローバル株式会社が今後の展開を目指しているバイオガス液化技術の活用も検討します。
経済発展が進む途上国では、都市部への人口集積が進んでおり、交通渋滞やそれに伴う温室効果ガス排出量の増加、大気汚染といった都市問題が顕在化してきています。これらの問題を解決するためには、我が国が持つ優れた脱炭素・低炭素技術と政策的知見やノウハウをパッケージにして展開することが必要となっています。
当社では、富山市や富山市内企業と連携し、日揮グループの技術力も活用しながら、本調査を起点に事業実現に向けた取り組みを加速させ、地球環境問題の解決に資する価値あるソリューションをグローバルに展開してまいります。