背景と課題
設備の信頼性を維持しながら合理的な保守をもたらす手法として信頼性重視保全(Reliability Centered Maintenance:RCM)があります。当社ではこれまで、原子力や火力/水力発電所を始めとして、送変電設備、化学プラント、石油精製プラント等、様々な設備においてこのRCM手法を適用するための支援業務(各種RCM手法に関する調査、発電所設備へのRCM手法の適用検討及びそれを通した技術移転等)を実施しています。また、リスクベース検査(Risk Based Inspection:RBI)に関する解析技術もあります。
サービス/技術
上記RCMやRBIの他にも、原子力発電所の運転保守の高度化に関連して、海外発電所への訪問調査を含めて、数多くの調査・研究の業務を実施しています。その例を以下に示します。
業務実績/サービス例
- 欧米の保守高度化関連技術の調査・分析(例;運転中保全、状態監視保全、保守テンプレート、米国INPOの機器信頼性プロセス等)
- 保守高度化セミナーの開催(2001〜2010年):米国の原子力産業界の専門家を講師に招いて、米国発電所の保守高度化に係る実態をご説明しました。フランス電力公社(EDF)講師による保守セミナーも2度開催し、2005年にはEDFの配管減肉管理ソフト(CICERO)を紹介しました。
- 米国原子力発電所の設備利用率向上の背景の分析
- 運転サイクル期間延長のための調査・検討:海外の運転サイクル期間とその関連規制、運転経験との関連性の調査
- 定検短縮検討手法の調査・検討:海外発電所に訪問調査し、担当者へのヒヤリング調査に基づき、合理的な定検短縮工程の検討手法を検討
- 主要機器交換履歴の調査:米国原子力発電所での主要機器の交換実績(実施時期、期間、実施業者等)、アセットマネージメント方策を調査
- NRCによる規制検査の実状調査:駐在検査官経験者等からの聞き取りによる、規制機関による発電所検査業務の実状調査
参考文献
伊藤邦雄, “米国における原子力規制と保全−(4)保守プログラムの最適化 −”, 保全学, Vol.3. No.1, April, 2004