安全・信頼・革新を備えた原子力発電 ― 安価、安定で、クリーンなエネルギーが支える日本の未来

Amir Afzali氏
AI、デジタルインフラ、電化の進展に伴い電力需要が増加する中、日本では原子力エネルギーが改めて注目されています。
本全6回の連載では、JANUSが原子力安全、規制・許認可の専門家であるAmir Afzali氏とともに、安全性、規制の近代化、そして体系的でリスク情報を活用した意思決定が、安価、安定で、クリーンな日本のエネルギーの未来をどのように支え得るかを考察します。
連載概要
日本の原子力政策は、新たな段階に入りつつあります。人工知能(AI)やデジタル化の進展に伴う電力需要の増加に加え、エネルギー安全保障の強化と脱炭素化の実現が求められる中、原子力発電の役割が改めて注目されています。同時に、既設炉の価値を最大限に引き出し、長期運転を支え、将来の原子炉導入に備えていくためには、安全性を継続的に向上させながら、より透明で体系的かつ技術的に確かな意思決定プロセスを構築していくことが必要です。
こうした議論に貢献するため、当社は、米国および国際的に豊富な経験を有する原子力規制・許認可の専門家、Amir Afzali氏との協力により、全6回の連載記事をお届けします。本連載では、同氏の専門的経験と国際的な視点を踏まえ、分析に裏付けられた現代的な規制アプローチや、リスク情報を活用したパフォーマンスベースの意思決定が、安全性の強化、規制の実効性向上、そして日本の原子力の将来をどのように支え得るかを考察します。また、国際的に認められている原則を、日本が蓄積してきた豊富な経験を踏まえつつ、日本の実情に適した形でどのように適用できるかについても検討します。
第1回では、今日の日本にとって、なぜ原子力エネルギーの重要性が高まりつつあるのかを考察します。以降の記事では、原子力安全に関する意思決定の変遷、規制の近代化、リスク情報を活用した性能ベースのアプローチの原則、ならびに日本の状況への適用可能性について取り上げます。
本連載が、日本の原子力産業に携わる幅広い専門家の皆様に有益な示唆を提供し、日本の原子力エネルギーと原子力規制の将来について、建設的な議論を深める契機となれば幸いです。
Afzali氏からのメッセージ
日本は、私の職業人生において特別な位置を占めています。私は長年にわたり、日本と米国の双方で日本の同僚の皆様と仕事をする機会に恵まれ、日本の原子力専門家が示す献身、規律、誠実さに深い敬意を抱くようになりました。こうした経験は私自身の考え方を形づくり、今なおその拠り所となっています。
私は、原子力エネルギーは、安全で信頼性の高い大規模電源として極めて高い価値を有しており、日本が将来のエネルギー需要を、経済的で、エネルギー安全保障に優れ、かつクリーンな形で満たしていくための、最も有力な選択肢であると考えています。この確信は、原子力エネルギーを支える技術、人材、制度に世界各地で数十年にわたり携わってきた経験と、日本の原子力関係者が極めて困難な課題に対し、高い専門性と強い決意をもって取り組む姿を見てきた経験に基づくものです。
本連載は、日本の原子力の「次の章」に少しでも有益な貢献をしたいという、私なりの試みです。日本の将来のエネルギー供給において、原子力がこれまで以上に大きな役割を果たす必要性、原子力に関する意思決定がどのように進化してきたか、リスク情報を活用したパフォーマンスベースのアプローチが安全性と規制の有効性をどのように高め得るか、そして日本が国際的な経験と自ら蓄積してきた豊富な専門知識・能力を生かし、次世代の原子力規制と意思決定の形成にどのように貢献できるかを考察します。
本連載が、日本の原子力関係者の間で、思慮深く建設的な議論を促す一助となることを願っています。
Afzali氏略歴
Amir Afzali氏は、原子力業界で30年以上の経験を有する、原子力安全、リスク評価および規制分野の専門家です。米国の原子力事業者、原子炉開発企業、コンサルティング機関において、上級技術職や管理・指導的立場を歴任してきました。





